宮城県内で人口が最も少ない自治体でありながら,県民193万人の水がめである七ヶ宿ダムを擁する水源の町,七ヶ宿町(しちかしゅくまち).

そんな七ヶ宿町を,先日偶然通りかかり,七ヶ宿ダムを見学してきました.せっかくなので七ヶ宿町について調べてみたところ,なかなか面白い町でしたので,この記事で紹介したいと思います.

町の概要

宮城県南西部に位置し,奥羽山脈の東南斜面の一帯を占め,自然豊かで県内有数の豪雪地帯です.

また福島県と山形県の県境を接し,江戸時代には,奥州と羽州を結ぶ道が「山中七ヶ宿街道」と称され,7つの宿場があったことが町名の由来となっています.参勤交代や旅人の往来で賑わっていたそうです.

人口は2023年7月31日現在,1,241人,608世帯となっており,宮城県では最も人口の少ない自治体となっています.

宮城県に存在する唯一の村である大衡村(おおひらむら)の人口5,650人よりも少ないです.

1960年には5,000人以上の人口がありました.現在は46%が老年人口(65歳以上)となっており,限界集落に近づきつつあります.

総面積は263.1km²で,なんと約90%が森林地帯で,耕地面積はわずか3%だそうです.そんな七ヶ宿町を象徴するものは,「七ヶ宿ダム」で宮城県民の水がめとしての役割を担っています.

町は国道113号線が横断しており,白石から山形方面への経路上に位置しています.

気候

七ヶ宿町には気象庁の観測所アメダスがないので,お隣,白石市のアメダスデータ(1991〜2020年の平年値)で説明します.

宮城県のアメダス

まず年間平均気温は白石が12.1℃です.仙台が12.8℃,東京が15.8℃ですから同じ宮城県の仙台とはほぼ変わらず,東京よりも北に位置するので寒くなります.

最も平均気温が高くなる8月でみてみると,白石は23.7℃,仙台24.4℃,東京26.9℃と,真夏でも東京と比べて涼しいといえるでしょう.

反対に最も平均気温が低くなる1月は,白石が1.2℃,仙台が2℃,東京は5.4℃と,仙台や東京といった都市部の方が気温は高い傾向にあります.白石よりも都市化されていない,七ヶ宿はさらに気温は下がると考えられます.ただしこれは夏も同様なので,夏は涼しいはずです.

続いて降水量をみていきます.

年間降水量をみると,3地点で最も多くなるのは,東京で1500mmを超えます.

白石と仙台は1300mm前後ですが沿岸部に近い仙台の方が少ないです.

この3地点ともに最も降水量が多くなるのは台風や秋雨前線の影響を受ける9月,10月です.

梅雨の期間の降水量も関東や西日本と比べて少なく,年間通しても降水量は多くないと言えます.

次にをみていきます.

降雪の深さの年間の合計をみると,白石109cm,仙台59cm,東京8cmです.白石よりも内陸に位置する七ヶ宿はもう少し降雪量は多くなるはずです.宮城県ないでは有数の豪雪地帯のようですが,日本海がわの豪雪地帯は,年間の降雪の深さは1000cmを超えてきますので,国内で見れば少ないです.

最後に日照時間です.年間の日照時間の合計が白石は1818時間,仙台は1836時間,東京は1926時間と関東圏に比べれば若干少ないですが,日本海では1500時間を下回る地域も多いですので,同じ東北の中でも七ヶ宿は日照時間が長いと言えます.

特産品

・七ヶ宿源流米

低農薬で、水田にはカキ殻を散布し炭で浄化した水で育てているそうです.水にこだわり育てた安全安心なお米,七ヶ宿町が誇るブランド米。

・雪室そば

町内で生産されたそばで雪室で熟成されたそばで,高湿度の適温熟成だから生まれる味の奥深さが魅力だそうです!

・山の香り漬

七ヶ宿産わらびとキュウリ・しその実を使ったトロトロの漬物で,お漬物日本一決定戦「T-1グランプリ2012」東北大会法人の部で最高金賞を受賞した一品だそうです!

・おばちゃん漬け

七ヶ宿でとれたキュウリ・ウメ・山菜など旬の野菜を完全無添加で加工したのが「おばちゃん漬け」.手作りで自然な懐かしい味が人気だそうです!

・炭クッキー

七ヶ宿町の特産品でもある白炭をパウダーにして練り込み、おなかのおそうじを願って作っているヘルシーなお菓子.国産小麦、七ヶ宿の蕎麦、圧搾絞りの菜種油、アルミフリーのベーキングパウダー、トランス脂肪酸フリーの有機マーガリンなど、からだにやさしい原料を使った手作りなので安心ですね!

・やまのしずく(お酒)

南蔵王の伏流水が湧き出る、自然豊かな水源の郷で生まれた七ヶ宿のブランド米「やまのしずく」.その自慢のお米「やまのしずく」で仕込んだ純米吟醸やまのしずくです。

特産品の情報は以下のサイトを参考にしています。

👉環境王国 宮城県七ヶ宿町

観光名所

・滑津大滝(なめつおおたき)

高さ約10m、幅約30mという圧倒的なスケールで、川幅いっぱいに水が流れ落ちる様子は、まさに圧巻と呼ぶべきものです。

滑津大滝は、その迫力的な姿勢から「二階滝」とも呼ばれ、独特の形状で観る者を圧倒します。散策道から眺める滝の轟音と、水しぶきがまるで生き物のように舞い上がる様子は、自然の偉大さを実感させてくれます。

滑津大滝に隣接する「旬の市七ヶ宿」の駐車場には、「滝見台」という展望台があります。ここから滝を上から眺めることができ、滝の力強さや美しさを存分に楽しむことができます。滑津大滝は、紅葉の季節には特に美しい場所として知られています。ライトアップが行われ、夜になると滝の水しぶきや紅葉が幻想的に輝きます。

・長老池

南蔵王の名峰である「不忘山」のふもとに広がる、美しい湖です。湖面に映る山々の姿が幻想的で、その神秘的な美しさで知られています。この湖は約2kmの周囲を取り囲む自然に恵まれた場所で、訪れる人々を魅了してきました。

・道の駅七ヶ宿

国道113号沿い,水と歴史の館に隣接した場所に位置する「道の駅七ヶ宿」は、平成26年4月にリニューアルオープンし,地元の魅力を発信する拠点として親しまれています.ここでは,自然の美しさと歴史的な魅力が共存し,季節ごとに変化する景色が楽しめます.

道の駅内では,七ヶ宿町の自慢の特産品などが販売されています.地元の味覚やお土産品を手に入れることができます.また,軽食コーナーでは,ソフトクリームや揚げもちなど,地元の美味しい料理を気軽に味わうことができます.特に評判の高い七ヶ宿ダム湖カレーも楽しめます.

環境に配慮した取り組みの一環として、電気自動車(EV)の充電ステーションも設置されています.

・七ヶ宿ダム

七ヶ宿ダムは、宮城県刈田郡七ヶ宿町に位置し、阿武隈川水系白石川に建設され1991年に完成した中央コア型ロックフィルダムです。中央ロックフィルダムとは、中心に水をさえぎるコア(土)と堤体を安定させるロック(岩体)、その中間のフィルター(砂利)などで構成されるダムです。

このダムは阿武隈川総合開発の一環として建設され、その役割は多岐にわたります。

白石川は、流路延長69.7km、流域面積797.1km2を持つ阿武隈川最大の支流の一つです。七ヶ宿ダムは、洪水時に水の調節を行い、流水の正常な機能を維持する役割を果たします。これにより、周辺地域の洪水被害を軽減し、住民の安全を確保します。

七ヶ宿ダムは多目的ダムとして設計されており、かんがい用水や水道用水の供給にも活用されています。特に、仙台市を含む仙南・仙塩地域での急速な発展に伴い、水需要が大幅に増加しています。このダムは、約193万人分の水を提供する水源とされており、宮城県の広域水道事業において重要な役割を果たしています。

七ヶ宿ダムについては,後日ダム関連の記事で詳しく取り上げます!

七ヶ宿町に移住する利点

七ヶ宿町では町民に対して様々な助成制度があるようです。こんな自然豊かな七ヶ宿町に移住を考えるきっかけになればと思います。

子育て支援金

●紙おむつ代:3歳の誕生月まで、月額2,000円が助成されます。

●1か月児健診無料

●乳幼児健診(2ヶ月、4ヶ月、8・9ヶ月)無料

●幼児健診(1歳半、2歳半、3歳半)無料

●定期接種 自己負担なし

●任意接種、費用一部助成

出生から高校卒業まで、医療費・入院費などはかかりません。

七ヶ宿町は待機児童ゼロ!保育料は完全無料です。給食費もかかりません。

小学校入学時には、子育て応援支援金と運動着支給!スクールバス・給食費が無料!

中学校入学時にも、子育て応援支援金が支給され、給食費も無料!

出生時・小学校入学時・中学校入学時・高校入学時にはそれぞれ子育て応援金が支給され、第一子、第二子、第三子と金額が増えるようです。

住宅支援

新築や二世帯住宅へのリフォーム(上限300万円)、空き家改修・かやぶき屋根の修繕・太陽光発電・蓄電池・エコキュートの設置、既存の建物の高断熱化、バリアフリー化(上限100万円)など、住まいに関わる費用の助成制度もあります。

また、お試し住宅もあり、移住を検討されている方など、田舎暮らしを体験できます!

七ヶ宿町の移住に関して、詳しくは以下のリンクをご確認ください!

👉七ヶ宿くらし研究所

まとめ

町の90%が森林、そして仙台市を含む宮城県民の飲み水を支える、子育てに関する助成も多い、そんな自然豊かで子供達に優しい七ヶ宿町!

自然との共感を感じながら、地域の温かさを味わってください。一度訪れてみてはいかがでしょうか!?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です