気温や降水確率といった要素より、日照時間は普段意識しずらいですよね。日本は狭いようで、広い。日照時間も地点によってかなり差が現れて面白いです。

前回に続き今回は日本全国、日照時間の短い場所ランキング1〜50位を気象庁のアメダスで年間日照時間の平年値(1991〜2020年)のデータがとれた全国827地点を調査しましたので、その結果をランキング形式でご紹介します!

1991〜2020年の年間日照時間を平均した値になります。(観測開始年が1991年以降で平年値30年に満たない地点もあります。)

前回紹介した日照時間トップ1〜50位の記事はこちら👈

 1〜10位

1位 青森県 酸ヶ湯 1069.4時間

2位とは200時間近く差をつけての圧倒的勝利は青森県の酸ヶ湯でした😅日照時間トップ1〜50位の多くは2100〜2200時間ですから、その半分近くしか陽が当たらないということになります。

青森県中央部、十和田湖の北に位置する酸ヶ湯は、その名前のとおり温泉場で、酸性の強い温泉であることから、酸ヶ湯という地名が名付けられたそうです。ビバ千人風呂で知られています♨️

酸ヶ湯の地形を見てみると、北から東にかけて八甲田山、東から南にかけて櫛ヶ峰という1,500m級の山々に囲まれており、冬季の北西季節風がちょうど山の斜面で持ち上がる場所にあたって日照時間が極端に短くなっているのかもしれません。

2位 山形県 肘折 1223.5時間

山形県の中央部、最上郡大蔵村に位置する、こちらも肘折温泉という温泉場です。日本有数の豪雪地帯でもあるそうで、冬季の積雪は4mを超えるみたいです⛄️

やはり冬の期間、北西季節風の影響を受ける豪雪地帯は、日照時間がかなり短くなる傾向があります。

大蔵村ではそば粉が生産されているようで、そばが名物、そのほか肘折ダム、四ヶ村の棚田といった観光スポットもあります!

3位 福島県 桧原 1256.1時間

福島県、会津若松の北あたりに位置する、桧原(ひばら)。

五色沼湖沼群の桧原湖があります。この地域も北西季節風の風下に磐梯山(1,816m)と安達太良山(1,728m)があります。

耶麻郡北塩原村に属し、村の人口は2,316人。

4位 北海道後志地方 真狩 1259.8時間

東北の地点に続き北海道からランクイン。

北海道、羊蹄山と洞爺湖の間に位置する真狩村。人口1,987人。農業が基幹産業で、特産はじゃがいも、大根、人参で食用のユリ根は全国一の出荷量を誇るそうです!

5位 北海道上川地方 音威子府 1260.4時間

北海道上川地方北部、稚内と旭川の中間に位置する音威子府村。旭川から車で130分。

北海道で一番人口が少ない自治体でおよそ650人。

音威子府で作られている黒色のそば、音威子府そばが名物です。

6位 福島県 鷲倉 1260.7時間

3位にランクインした福島県桧原に近く、安達太良山の北側に位置する鷲倉は福島市に属する温泉地。標高1220mと高く、積雪も多いようで冬季は温泉も休業するそうです。

7位 山形県 大井沢 1263.7時間

2位にランクインした山形県肘折の近く。1,800の朝日連峰の東側。西川町に属します。町の人口は5,225人。こちらも県内屈指の豪雪地帯。寒河江川、寒河江ダムもあります。

8位 北海道宗谷地方 沼川 1278.5時間

稚内から30kmほど南に位置する宗谷地方の地域。この地域を検索して出てくる情報が少ないですが、近くにウィンドファーム・風力発電所があるので、風の強い地域であることがうかがえます。

9位 鹿児島県 中之島 1294.1時間

北海道・東北以外で最初のランクインはなんと鹿児島県でした。これは予想外。

中之島は、トカラ列島の島で鹿児島県十島村に属します。屋久島と奄美の間に位置します。周囲30km、人口167人ほどの島です。トカラ列島最高峰の御岳(979m)があります。

島へのアクセスは週2回の村営フェリーのみだそうで、鹿児島からトカラ列島をまわって奄美の名瀬を往復してます。

トカラ列島は台風の進路にあたることが多く、中之島の年間降水量は3626.7mmと桁違いに多いです(東京は1598.2mm)。

これにはアメダスが御岳の南、つまり南から来る台風の風下にあたる場所に立地しているのも、降水量が多く日照時間が短くなる要因だと思います。

10位 北海道後志地方 黒松内 1294.7時間

北海道後志地方から2ヶ所目のランクイン。札幌と函館の中間に位置し寿都郡黒松内町は人口2,582人。国の天然記念物「ブナ」の北限、馬鈴薯、小麦などの畑作と酪農が盛んです。

 11〜20位

11位 福島県 只見 1295.4時間

12位 秋田県 湯の岱 1301.7時間

13位 秋田県 湯瀬 1305.9時間

14位 北海道上川地方 幌加内 1307.6時間

15位 北海道上川地方 美深 1319.7時間

16位 山形県 小国 1322.6時間

17位 山形県 新庄 1324.6時間

18位 北海道檜山地方 今金 1324.9時間

19位 北海道上川地方 朱鞠内 1328.5時間

20位 鹿児島県 名瀬 1332.1時間

引き続き、北海道、東北の地点がランクイン。鹿児島も中之島に次いで、奄美大島の名瀬がランクイン。

 21〜30位

21位 北海道宗谷地方 豊富 1333.5時間

22位 新潟県 守門 1336.4時間

23位 福島県 檜枝岐 1337.8時間

24位 北海道後志地方 蘭越 1338.0時間

25位 秋田県 八幡平 1338.4時間

26位 新潟県 湯沢 1346.7時間

27位 北海道後志地方 美国 1350.5時間

28位 北海道宗谷地方 中頓別 1356.1時間

29位 秋田県 田沢湖 1358.1時間

30位 北海道上川地方 中川 1361.1時間

豪雪地帯の新潟からようやくランクイン。

 31〜40位

31位 北海道上川地方 名寄 1367.8時間

32位 新潟県 下関 1369.1時間

33位 北海道檜山地方 鶉 1373.3時間

34位 山形県 金山 1375.5時間

35位 北海道後志地方 喜茂別 1376.3時間

36位 北海道上川地方 江丹別 1376.3時間

37位 北海道胆振地方 大滝 1378.2時間

38位 山形県 差首鍋 1378.3時間

39位 北海道上川地方 和寒 1378.6時間

40位 兵庫県 兎和野高原 1382.5時間

鹿児島以外の西日本から兵庫県北部の兎和野高原がランクイン。

 41〜50位

41位 岩手県 湯田 1383.3時間

42位 岩手県 葛巻 1384.6時間

43位 山形県 狩川 1384.6時間

44位 岩手県 薮川 1392.4時間

45位 北海道後志地方 寿都 1393.5時間

46位 北海道留萌地方 達布 1399.4時間

47位 宮城県 駒ノ湯 1401.0時間

48位 青森県 碇ヶ関 1401.9時間

49位 山形県 向町 1402.5時間

50位 北海道上川地方 上富良野 1403.0時間

東北の太平洋側の県、岩手県・宮城県からもランクインが見られましたね。

青森県からは碇ヶ関が1位の酸ヶ湯以降のランクインです。

まとめ

日照時間が長かった地点は海沿いのビーチやリゾートチックなところだったのに対し、日照時間の短い地点は温泉地が目立ちましたね。ほとんどが日本海側の地域ですが、鹿児島から2地点ランクインしたのが驚きでした。

北海道も多くランクインしていますが、際立っていたのは後志地方や上川地方で、やはり十勝・釧路・根室といった太平洋に面している地域からの50位までのランクインはありませんでした。

狭い日本でもこのように、日照時間に大きな差異が表れるのは面白いですね。

データは全て、気象庁ホームページの過去の気象データ検索から入手しています🌥

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