灯台はこれまで,海を航行する船に対し,海岸線,浅瀬,岩礁,危険水域,港湾などの位置を示すための重要な役割を担ってきました.近年はGPS機能やレーダーの発達で船と港の位置関係が測られるようになり,灯台の本来の役割は低下していますが,歴史的価値や観光資源としての価値は高まっていると言えます☝️
青い海,陸の緑,そして灯台の白が織りなすコントラスト,広大な海を照らして続け,船乗りの道標となってきた.ロマンを感じますよね☺️
今回は全国の様々な灯台を訪れた私が,灯台の魅力と勝手に選んだ灯台10選をご紹介します❗️
稚内灯台
北海道の稚内市,ノシャップ岬に立つ灯台.稚内灯台は塔高42.7メートルあり,全国では出雲日御碕灯台についで2番目の高さで、北海道内では1番の高さを誇ります💡
私が訪れたときは,天気がよく,利尻島の利尻富士を望ことができました!
この先はサハリン.国境に立つ灯台だけあって威厳が感じられる,カッコいい灯台です😎
白と赤のツートンカラーは雪国ではよくある灯台で,陸が雪に覆われていて白くても視認できるようになっています.
初点灯:1900年(明治33年)12月10日
光りかた:群閃白光 毎20秒に2閃光
光の強さ:32.0万カンデラ
光達距離:18.0海里(約33km)
高さ:43m
灯高:42m
料金:無料
アクセス:
JR稚内駅からバス(市内線)で約10分「ノシャップ」下車、歩いて約5分
JR稚内駅から車で約10分駐車場あり
犬吠埼灯台
千葉県銚子市犬吠埼にある灯台.明治7年(1874年)、イギリス人技師ブラントンの設計でつくられた高さ約32メートルのレンガづくりの西洋式灯台です.こちらも灯台内部参観可能な灯台で99段の螺旋階段を登ることができます.
関東最東の犬吠埼は山頂や離島を除き,日本で最も早く初日の出見ることができる場所として知られています☀️
断崖絶壁の犬吠埼の地形と灯台のしなやかなフォルムがマッチしている美しい灯台です。
初点灯:1874年(明治7年)11月15日
光りかた:単閃白光 毎15秒に1閃光
光の強さ:110万カンデラ
光達距離:19.5海里(約36km)
高さ:31m
灯高:52m
参観寄付金:300円
アクセス:
●鉄 道:銚子駅~( 銚子電鉄)~犬吠駅下車(約16分)、徒歩約10分
●バ ス:東京駅八重洲口~(京成バス・千葉交通バス)~犬吠埼下車(約2時間30分)、徒歩約5分
●自動車:東関東自動車道大栄IC~東総有料道路、国道126号、県道286号、254号経由 約1時間
駐車場あり
観音埼灯台
神奈川県横須賀市,三浦半島の東京湾の入り口にあたる場所に立つ灯台です.国内で最初につくられた洋式灯台で,明治政府の依頼により1868年(明治元年)フランス人の技師ヴェルニーによって起工されたものです.日本の近代灯台事業はここからはじまったとも言われているそうです.これまでに地震で2回倒壊.現在の灯台は大正14年6月1日に再建(コンクリ造)された3代目です.
観音崎公園を海沿いに歩いていくと高台に灯台が見えてきます.シンプルでそこまで高くないですが,よくある円形でなく,かくばったシャープさもあってかっこいい灯台です.
初点灯:1869年2月11日
光りかた:群閃白光 毎15秒に2閃光
光の強さ:7万7000カンデラ
光達距離:19海里(約35km)
高さ:19m
灯高:56m
参観寄付金:300円
アクセス:
京急浦賀駅からバス「観音崎行」(約20分)終点下車、徒歩約10分
JR横須賀駅からバス「観音崎行」(約40分)終点下車、徒歩約10分
(車) 横浜横須賀道路馬堀海岸ICから3km(約5分)
公園に駐車場あり
灯台までは階段を登っていきます。
御前埼灯台
静岡県御前崎市にあり,御前崎のシンボルともいえる灯台.明治5年,日本の灯台の父と呼ばれたイギリス人技師ブラントンにより工事が開始されました,御前崎付近は,黒潮と駿河湾の瀬流がぶつかり合う上に,多くの暗礁が散在在しており,昔から海の難所として、船人に恐れられていたそうです.レンガ造で近代化産業遺産にも認定されています.こちらも一般参観可能な登れる灯台となっています.
私が訪れたときは残念ながら雨でしたが,灯台からは富士山も見えるそうです🗻
大きく鮮やかなレンズとずっしり安定感のある塔が,御前崎灯台の美しさを出している要素かなと思います.
初点灯:1874年(明治7年)5月1日
光りかた:単閃白光 毎10秒に1閃光
光の強さ:56万カンデラ
光達距離:19.5海里(約36km)
高さ:22.47m
灯高:54m
参観寄付金:300円
アクセス:
●鉄道・バス
・JR東海道本線菊川駅下車
菊川駅前~(静鉄バス菊川浜岡線)~浜岡営業所下車(約40分)~(静鉄バス御前崎市内線)~御前崎海洋センター下車(約30分)、徒歩約10分
・JR東海道本線静岡駅下車
静岡駅~(静鉄バス日本平線)~相良営業所(約1時間10分)~(静鉄バス相良御前崎線)~御前崎海洋センター下車(約25分)、徒歩約10分
●自動車
・東名高速道路相良牧ノ原IC~国道473号、県道241号、240号経由 約30分
・東名高速道路吉田I C~国道150号、県道241号、240号経由 約40分周辺に市営駐車場(無料)あり
伊良湖岬灯台
愛知県田原市,渥美半島の先端に立つ灯台.こちらは灯台の中へは入れませんが,伊良湖岬の遊歩道の先に灯台があり,また道の駅と伊良湖港からは鳥羽へフェリーもありますので周辺の観光もできます.多くの灯台は岬の高台にありますが,伊良湖岬灯台は海岸線ギリギリの場所にあるので,写真撮影には最適.海間近に立つ灯台は迫力もあります🌊
初点灯:1929年(昭和4年)11月20日
光りかた:等明暗白光 明3秒暗3秒
光の強さ:1万7千カンデラ
光達距離:12.5海里(約23km)
高さ:14.8m
灯高:15.5m
料金:無料
アクセス:
東名豊川ICより車で約90分
遊歩道の入り口に無料駐車場ありそこから徒歩10分くらい
余部埼灯台
兵庫県美方郡香美町(旧城崎郡香住町)に立つ灯台.余部埼灯台は灯台の灯の海面からの高さ(標高284m)が日本一高い灯台です.光達距離についてもかつて日本一でしたが,算出条件の変更により2003年室戸岬灯台にその座を譲りました.この高台からは日本海が一望でき,「日本の夕陽百選」にも選ばれています🌇
周辺の香住海岸には高さ65mの海蝕断崖「鎧の袖」や奇岩が広がり,約120kmのエリアが山陰海岸ジオパークはユネスコ世界ジオパークに認定されています.
また,近くにはJR山陰本線の余部橋梁もあるのでぜひ行ってみてください.
灯台自体は,非常に穴場といった感じで,人は少なく時間帯を選べばひとりじめできます.余部埼灯台のように何もない峠に突如現れる白い塔.これも灯台の魅力です🍃
初点灯:1951年(昭和26年)3月25日
光りかた:単閃白光 毎15秒に1閃光
光の強さ:92万カンデラ
光達距離:23海里(約43km)
高さ:13.91m
灯高:284.15m
料金:無料(灯台の中には入れません)
アクセス:JR餘部駅から車で約10分
駐車場あり(無料)車で灯台の前まで行けますが,一台しか通れない道を進んでいくので対向車に注意して進みましょう.途中にすれ違いスペースはあります.
室戸岬灯台
高知県室戸市の室戸岬にある灯台.レンズの大きさは直径2m60cmと日本最大.また灯の光達距離も日本一です.室戸岬灯台は塔のようにそびえる灯台というよりは,レンズ塔の大部分を占める灯台です.展望台から,その日本一のレンズを間近で見ることができるのもこの灯台の魅力です!
標高151mにありますので,下の国道沿いの駐車場に車を停めて,20分くらい山道を登る必要があります.
対面に陸がない大洋へ向く灯台は,やはりその分レンズや灯台の規模も大きくなるので,一見の価値があります👀
初点灯:1899年(明治32)4月1日
光りかた:単閃白光 毎10秒に1閃光
光の強さ:160万カンデラ
光達距離:26.5海里(約49km)
高さ:15.4m
灯高:154.7m
料金:無料
アクセス:
土佐くろしお鉄道阿佐線(ごめん・なはり線)奈半利駅から高知東部交通バス室戸岬行きまたは甲浦行きで約58分、スカイライン入口下車後徒歩20分(最御崎寺参道、山門を過ぎてさらに奥に直進約100m)
駐車場:国道沿いにあり
佐多岬灯台
鹿児島県南大隅町,九州最南端の佐多岬に立つ灯台.佐多岬灯台は,佐多岬先端からさらに50m先の大輪島にあり,灯台の近くまで行くことはできませんが,佐多岬の展望台から見ることができます.灯台を含む岬としての風景は最高で私の1番お気に入りの岬でもあります.御前崎灯台と同じくイギリス人のブラントンによって設計され,明治4年に完成しました.昭和20年に空襲で大破し,昭和25年に現在のものに再建されました.
現在は太陽電池化され,地球環境にもやさしい灯台に生まれ変わっているそうです😇
日本は山がちな地形で,平らな場所が少ないですから,必然的に沿岸部から人間が生活できるように開発されていきますよね.佐多岬は私が訪れた岬の中では最も開発され具合が低く,自然の状態に近い岬で見応えのある絶景です🍀
初点灯:1871年(明治4年)10月18日
光りかた:群閃白光 毎16秒に2閃光
光の強さ:40万カンデラ
光達距離:21.5海里(約39km)
高さ:12.6m
灯高:68m
料金:無料
アクセス:
●鹿児島空港から約2時間30分(高速道路使用)
●鹿児島中央駅から(鹿児島港⇔桜島港フェリー15分経由)約3時間
(鴨池港⇔垂水港フェリー45分経由)約2時間50分
(高速道路使用)約2時間50分駐車場あり
平安名埼灯台
沖縄県の宮古島,東端「東平安名岬(ひがしへんなざき)」にある平安名埼(へんなさき)灯台.こちらも登れる灯台となっていて,そもそも宮古島はサンゴ礁の島で平坦ですので,上からの景色は四方八方のすべてが絶景です.細長く突き出た岬の先端の灯台から海を見下ろすと,水平線が丸く見えるという評判でしたが,そのとおりでした!また,ところどころ岩礁が海に突き出ているのも,なかなか見られない地形です.
灯台好きでなくても,気に入ること間違い絶景ですし,宮古島の定番観光スポットでもあります.灯台周辺にはフードトラックの移動販売があり,賑わっていました🎶
初点灯:1967年(昭和42年)3月27日
光りかた:単閃赤白互光 毎20秒に白1閃光赤1閃光
光の強さ:白光29万カンデラ, 赤光25万カンデラ
光達距離:18.0海里(約33km)
高さ:24m
灯高:43m
参観寄付金:300円
アクセス:宮古空港より車で約30分駐車場あり(無料)
石垣御神崎灯台
沖縄県の石垣島の西端,御神崎「おがんざき」にある石垣御神崎灯台.灯台は高台にあることが多く,この石垣御神崎灯台も同じです.しかし御神崎灯台が他の灯台と違うのは,灯台を見ながら高台へ登っていく道があるということです.青空と目の前にそびえる白い灯台を見ながら高台へ登れる,ワクワクがとまりません🤗
また色々の角度から灯台と景色が見られるのも最高でした.石垣島には,もう1箇所最北端に平久保埼灯台がありますが,私は石垣御神崎灯台のほうが好きです.
初点灯:1983年(昭和58年)3月11日
光りかた:単閃白光 毎10秒に1閃
光の強さ:3千7百カンデラ
光達距離:12.0海里(約22km)
高さ:15m
灯高:62m
料金:無料
アクセス:石垣市中心部から車で25分駐車場あり(無料)
まとめ
灯台も人間と同じで十人十色、同じ形、同じ景色に映る灯台はありません!
それぞれの灯台のフォルムと灯台の立地場所の風景がマッチして美しい情景をつくります。
灯台は海に囲まれて、複雑な海岸線をもつ日本にはたくさんの灯台があります。古い灯台あれば、明治時代に建てられたものもあります。街中にはそんな古い建物、今はなかなか残っていません。
歴史的な価値としても高いものです!お金もほとんどかかりません、参観寄付金があるところでも300円ですし、外観を見る分には無料のところがほとんどです。
今回紹介した中にも、のぼれる灯台がありましたが、全国の「のぼれる灯台16」ではスタンプラリーが行われています。のぼれる灯台16は燈光会ウェブサイトからご覧ください。
また灯台を管理している海上保安庁は、灯台カードというものをデータで配信しています。各地の灯台にQRコードが貼り出されており、それを読み取ることで灯台の情報が書かれた灯台カードをダウンロードすることができます。
カードといわれると、データでも集めたくなっちゃいますね。
詳しくは海上保安庁の灯台カードのページをご覧ください!
ぜひ、皆さんの観光プランにも灯台を組み込んで、灯台巡りをしてみてくださいね!